階層化境界球群を用いた衝突検出法


 PC クラスタは,大規模な形状モデルに対する幾何計算や, 計算負荷の分散化に効果的な計算環境です. 我々は,PC クラスタを用いて,3次元形状処理に関する様々なアルゴリズムを研究しています.

■階層化境界球群を用いた衝突検出法

 3次元空間内における物体間の衝突検出はCAD(Computer Aided Design),計算幾何学, CG(Computer Graphics) など広範な分野で研究が進められ,様々な手法が提案されています. しかし,正確に衝突面を検出するには高い計算コストが必要となり, 高速な計算機環境でなければ実時間で処理するのは困難です.
 我々は,3次元モデルを覆う階層化境界球群による衝突検出法を研究しています. 3次元モデルの各面を覆う球群をオクトリに基づき階層化し,階層化境界球群を生成します. そして,階層化境界球群による衝突面の絞込みを行い,絞り込んだ衝突面同士の干渉を検出することで 正確な衝突面を検出します.
 衝突面の検出には,干渉する球群を総当りで検出するので計算コストがかかります. そこで,安価な計算機を複数台結合したPC クラスタを利用します.

■階層化境界球群と衝突検出例

階層化境界球群例 衝突検出例
階層化境界球群例 衝突検出例

■PCクラスタ

PCクラスタ

■俵型形状と骨の衝突検出(600,000ポリゴン)

骨と俵型形状 衝突面

■ドラゴンとドラゴンの衝突検出(100,000ポリゴン)

ドラゴン


ドラゴンのデータは, ラティス・テクノロジー社
骨のデータは,岩手県立大学土井研究室から提供していただきました.