地形図やDEM(Digital Elevation Model)から得られた等高線は,
地球表面の標高データを表現する一つの形式です.
しかし,防災,環境解析,映像教育,工事計画などにおいては,
2次元等高線地図の精度や表現力では十分とはいえません.
そこで本研究は,離散的な等高線データから地形の表面を生成する手法を
開発することが目的です.
地形表面を生成する手順は概ね次のようです.
1.離散的な等高線データを周期的 B-spline 曲線で近似し,近似曲線を利用して,
点の密度が一定となるように等高線データを再構成する.
2.隣接する等高線間を三角形でタイリングする.
3.三角形メッシュから曲線メッシュを生成する.
4.曲線メッシュを曲面で内挿する.
以上のような流れで生成した山岳地形モデルは,
自由曲面で表現されたモデルになるため,
多面体モデルと比較して,データ量や精度面で優れたモデルになります.
■利用するデータの処理
元になる等高線データを周期的B-spline曲線で近似し,
s-sampleという基準に沿って,再サンプル化します.
新たな等高線データの頂点は,近似した周期的B-spline曲線上の点となります.
各頂点に対応したパラメーターを周期的B-spline曲線の1階導関数式に代入すると,
各頂点の単位接線ベクトルを計算することができます.
すなわち,同じ等高線上の隣接する頂点の間を3次のBezier曲線で補間することができます.
■三角形分割や曲線メッシュモデルの生成
局所指向性のあるCDT(Constrained Delaunay Triangulation)手法を利用し,
対応関係のある等高線空間をいくつかのタイリング三角形領域に分割します.
タイリング三角形はTerminal三角形,Sleeve三角形とJunction三角形の三種類に分けられます.
分類されたタイリング三角形に基づいて,
隣接する二つのSleeve三角形を一つの四辺形領域に結合すると,
領域を四種類の特徴メッシュに分けることができます.
また,各頂点における単位接線ベクトルや頂点での傾斜度に基づいて,
曲線メッシュモデルを生成することができます.
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